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自由に陶芸やりたい人、どうぞ。/小石川3丁目、陶芸アトリエ・リカグラッサ

柳町こどもの森から千川通りを挟んだ向かい側あたりをちょっと入ったところに、ギャラリーかな?というたたずまいのブルーの建物がある。陶芸アトリエ・リカグラッサだ。2023年7月にオープンした。「陶芸が初めての人も、経験がある人も、好きなもの、気に入ったものを自由に作ってほしい」と、主宰者の冨澤稀衣さんは言う。アトリエは自らの作陶の拠点でもある。

東京藝術大学を卒業後、陶芸教室の講師などを務めるかたわら、制作しながら人にも教えられる場所を探してきた。「機材が重いので古民家だと床が抜けてしまうし、ある程度の広さも必要だし」。たまたま、印刷工場だった小石川3丁目の今の建物に出あった。

芸大では陶芸に打ち込み、一般企業への就職は考えていなかった。「とはいえ創作意欲が高いわけではなくて、自分で好きなものを作って、売れたらいいやって」と笑う。花瓶や植木鉢など、「あったら生活が豊かになるけど、必要なものではないもの」を作るのが好きだという。「コンセプトもあまり考えていなくて、とりあえずかわいいものをつくりたい」

1階のギャラリースペースには、作品が展示販売されている。卒業制作で作ったというピンクの花瓶70個のうちの一部も並ぶ。「ここでは、作った作品を売れるようにしたい。レベルの高い人が集まってきているので、売れる場所があるとモチベーションが上がると思う」という。

陶芸教室はあちこちにあるが、初心者は茶碗や湯飲みなど作るものが決まっていたり、常連さんで固まっていたり。冨澤さんがめざすのは、明るくてきれいで、作りたいものを自由に作れる場だ。千葉や神奈川から来る人もいるという。「土をこねるところから始める教室が多いけれど、ここでは土はもうこねてある。基本枠2時間の中で、器からオブジェまで、作りたいものをどうぞ」。粘土の量は決まっているが、「きまりはないので、固定概念にとらわれず、自由に作るといいです」。決めてもらった方がやりやすい、という人もいるだろうけれど。

2階は冨澤さんが教えるスペースだ。ろくろが数台並び、作業台もある。本業が画家で、立体物をつくりたい、という会員もいるが、ほとんどが初心者か初級者だという。「初めての人や、前にちょっとやっていて再開する人も」。親子連れもおり、夏休みの自由研究で作陶した親子もいた。

「体験で来る人はみなさん、無心になれると言いますね」と冨澤さん。指を動かし、粘土に集中して作品を作る作業で、余計なことを考えず、瞑想に近い状態になれる場合もある。そこで、法人向けのグループ研修や団体イベントプランも用意した。まだ試行中だが、手ごたえはあるそうだ。また、出張指導もやっていきたいという。

1階には電気窯が2台あるので、「作ったものを焼いて欲しい、という依頼もある」とか。学校で生徒が作った作品を多数焼いたこともあったという。

陶芸をやりたい人向けに、さまざまなプランがある。たとえば初心者向けなら、つくって色付けする「成形」と「絵付け」の2工程をセットにしたプラン(1人4400円×2回)がある。1回目は粘土から、ろくろを使ってもいいし、使わなくてもいいので、皿でもオブジェでもなんでも自由に形を作る。初心者には難しい削りの工程や素焼きは冨澤さんにお任せ。2回目は色付けや釉薬をかけに来て、その後の工程はお任せ。ペアプランやグループプランもある。

定期的に通いたい、月に何回も通いたい人向けには、月額制のメンバー(会員)制度がある。「会員さんはまだ数人なので、募集中です」と冨澤さん。わからないことは教えてくれるし、アドバイスももらえるそうだ。詳細はサイトInstagramで。(敬)


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