先週あたりから目がショボショボ鼻はムズムズ……ああ今年もアイツがやってきたかと憂鬱な気持ちで耳鼻科に向かう途中、道路わきで静かにスタンバイ中の沈丁花を発見。春はすぐそこです。
我が家のおチビさんもあと2か月で高学年に。いつの間にかスニーカーのサイズは私を追い越し、私が“おチビさん”のおさがりを履くことも。最近は親とお出かけするよりもお友達と遊ぶほうが楽しくなってきたようで、我が子の成長が嬉しくもあり……寂しくもあります。
子の成長とともに“寝る前の読み聞かせ”をすることもほとんどなくなりましたが、誕生日の夜やクリスマスの夜、ちょっと悲しいことがあったとき等には「寝る前に〇〇を読んでほしい」とリクエストされることもあるので、まだ需要はあるらしい。
そしてたまには、私が仕事中に見つけて「これは!」と思う絵本を子どもにおすすめすることも。先日はこちらの絵本を子どもに読んだら「これすごいねえ! もう一回見せて!」と自分でも何度もページをめくったり戻ったりしながら読み返していました。
『光の旅 かげの旅』
アン・ジョナス作 内海まお訳
評論社
物語は「明け方、家を出発」するところから始まります。明け方、家を出るとあたりはまだ薄暗く街も静か。農場や麦畑を通り過ぎ高速道路で海辺に向かうと街が見え、映画館に行った後でいちばん高いビルから下を見下ろすと太陽が沈み――ここで物語が終わるかと思いきや、「本をさかさまにしてごらん!」と。
主役は“光”から“かげに”バトンタッチ。街中に明りがともると、レストランで食事をし、街を出ると花火が見え、最後に“我が家”に帰ってきます。
白黒の世界が織りなす光と影のコントラストが美しい絵本です。小学校の読み聞かせボランティアで高学年に読み聞かせるのにもおすすめの1冊です。

(OSAGARI絵本・伊藤みずほ)