認知症ご本人や地域住民等が関係者と一緒にタスキをつなぎながら走るイベント「RUN伴(らんとも)文京区2024」が11月17日(日)、文京区内で開かれる。外に出る機会の少ない認知症の方が、少しでも外に出ていろんな人と接する機会を持つこと、さまざまな「居場所」があることを知ってもらうこと、地域の人に、認知症への理解を深めてもらうことを目標に、施設と地域の居場所をつなぐコースを設定。礫川公園を出発して東西2コースに分かれ、それぞれ十数か所の施設や居場所を巡ってタスキをつなぐ。施設入所者と共に歩く区間も設定しており、認知症の人も、そうでない人も、老いも若きも「ごちゃまぜ」をめざしている。
RUN伴とは、NPO法人認知症フレンドシップクラブの呼びかけで10年以上前に始まり、認知症の人や家族、支援者、一般の人がリレーをしながら、一つのタスキをつなぎゴールをめざすイベント。文京区内では昨年2023年11月に開催し、ランナー、ボランティア含め約380人が参加した(過去記事参照)。今年も区民や居場所運営者や施設運営者らがRUN伴文京区2024実行委員会をつくり、準備を進めている。
今年は9時半に礫川公園を出発し、西コースは昨年同様に「洛和ヴィラ文京春日」や「杜の癒しハウス文京関口」、障害者支援施設「リアン文京」などのほか新たに千石のグループホーム「泉湧く憩いの家」なども拠点に参加。居場所では小日向の「こびなたぼっこ※」(過去記事参照)なども新たに加わり、施設入居者や、地域の高齢者や子どもたちと一緒に歩く区間も設けた。東コースは昨年もそうだったが、小規模多機能型施設「ユアハウス弥生」の利用者が車イスでともに歩く区間もあり、居場所では新たに「動坂テラス」(過去記事参照)が参加。生活クラブ生協のみかんジュースの提供もある。
両コースともに拠点となる多世代の居場所「ワークスペースさきちゃんち」(過去記事参照)では明治安田の協力で、血管年齢や推定野菜摂取量の測定ができ、エーザイでは脳トレゲームやエクササイズ、脳の健康度チェックなども予定されている。千石の「コドモカフェオトナバーTUMMY」(過去記事参照)やコミュニティカフェ「風のやすみば」では認知機能の簡易検査や、「認地笑カルタ」で楽しみながら認知症を学べるなど、タスキをつなぐ各拠点ではさまざまなイベントを開催する。
テーマカラーがオレンジなので、参加者はオレンジ色のTシャツなどオレンジを身につけて参加する。今年のTシャツをデザインしたのは動坂テラスの馬場玲子さん。「I’ll never forget your smile(笑顔は忘れない)」の文字に、「当事者は忘れてしまうことがあってもあなたの笑顔は私たちが忘れない」という意味を込めた。真ん中の象形文字は、ユアハウス弥生の利用者の方が書いたという。「サンプルの字と挿絵をみてニコニコして触っていたので、少し手を添えさせて頂いたら驚くほど豪快に書いて下さいました」
その下の「Run伴BUNKYO」の「伴」の字も、利用者さんが「わんこそばのように伴という字を書きまくったうちの1枚」だそうだ。そして、文字の脇の「RUNTOMO BUNKYO」と描かれた「足跡」は、区内の大学生がデザインしたものだ。馬場さんがこれらを組み合わせてまとめあげた。イベント応援(協賛)の意味合いで、1枚1000円で販売予定だ。
歩く区間以外に、今年は認知症の当事者が東コースを1周(約10キロ)走る予定だ。西コースも約10キロあり、現在それぞれのコースを全周または区間のみ走るランナーや、拠点のイベントを手伝っていただくボランティアを募集している。ランナーやボランティアはTシャツを配布予定という。実行委員長の竹形誠司さんは「誰もがいつかはかかわることになる認知症について、みんなで楽しく学べたら」と話している。
ランナー申し込みはフォームから。
11月3日(月祝)10時~プレイベントとして、ケアワーク弥生(弥生2-15-13 2F)で認知症サポーター養成講座が開かれる。認知症サポーターとは認知症のご本人や家族を地域や職域で温かく見守る応援者で、認知症について知り、接し方を学ぶ講座を修了するとオレンジ色のブレスレット「オレンジリング」がもらえる。このほか、施設見学会も予定されている。イベントなどの詳細はサイトで発信している。問い合わせはメール(runtomobunkyo@gmail.com)で。