「何がおすすめですか?」「キウイ!」「フキノトウ!」
客の質問に、保育園児が元気よく答える。東日本大震災から15年の節目に当たる3月11日、文京区弥生のケアギルドトーキョー(過去記事参照)で、福島県産の規格外野菜を販売する「もったいないマルシェ」が開かれ、近隣の保育園の5歳児が売り子や呼び子を務めた。

「やまつり(矢祭)という福島の一番下の町から来た野菜だよ」。ケアギルドトーキョーでもったいないマルシェを隔週で開いている「スーさん」が、開店前に子どもたちに説明していた。「値段はどこに書いてあるんだっけ?」とスーさんが尋ねると、「うえ~」と子どもたちは上から吊り下げられている値札を指さす。

次々やってくる客の「これはなんですか」の質問にも「キクイモです」「サツマイモです」と的確に答えていた。「どうやって食べたらおいしいの?」という質問には、スーさんが「フキノトウはおひたしがおいしいです。キクイモはきんぴらがいいな。あと、このシイタケは原木なんで、ほんとおいしいですよ」。さすが、野菜をよく知っている。

子どもたちは、野菜を売る売り子、外で客を呼び込む呼び子、室内で野菜の絵に色を付けて野菜の形に切る製作チームと、数人ずつ3つの班に分かれた。外では「いらっしゃいませー」という元気な声が響く。「お野菜や」と書かれた看板に貼り付けられた色とりどりの野菜たちは、子どもたちが色を付けたものだ。

売り子チームはノリノリになってきて、「ほーう・れん・そう・がっ、おっすすーめ・です♪」と飛び跳ねながら歌い出した。マルシェでできた曲、とでもいえようか。そのうち、春キャベツやイチゴなどをバスケットに入れて「春野菜セット」づくりも始まった。

製作チームは「がんばれ福島 おやさい市」と書かれた大きな板に、色付けした野菜をペタペタ貼り付けて新しい看板づくりに励んでいた。

ケアギルドトーキョーの飯塚裕久さんは「子どもたちが本物の野菜に触れるいい機会。マルシェも子どもたちがいると活気づく」と話す。スーさんは十年来、東北の復興支援に携わっており、ケアギルドのスタッフと知り合いだという縁で、2週間に1度の頻度でもったいないマルシェを開いてきた。「規格外野菜は市場に出回らないけど、新鮮で味は間違いない。こういう機会に少しでも野菜に興味をもってもらい、農家を理解してもらえれば」と言う。

来場した人は「人と人のつながりが素敵です。地域をつくるのも人とのつながりだと実感します」と話していた。(敬)

