はやいもので、もう夏やすみ。
子ども達にとってはお待ちかねのボーナスタイムですが、親にとっては“やっと1学期が終わったと思ったら、息つく暇もなく……”というのが正直なところかもしれません。
我が家でも息子が学校から持ち帰った夏休みの宿題リストを見て、はやくもゲンナリ。取り掛かりは人一倍遅いが、いったん始めたら納得いくまで諦めない! というこだわりタイプの息子ゆえ、去年の自由研究は泣きを見ました。本人も家族も。付き合わされるほうはたまったもんじゃないですが、これも個性というものか。
個性といえば、最近特に心に響いた絵本がありました。
『ずかんライブラリー ちょう』
大島進一さく
福音館書店
「ずかんライブラリー」シリーズより、ちょうをテーマにした絵本です。以前手に取った際には、さまざまなちょうが整然と並ぶすがたがきれいだなと思いましたが、久々にじっくり読み込むと、美しい絵に加え、その構成のすばらしさに感動しました。
このずかんでは、約50種類のちょうが卵から成虫になるまでを、成長過程ごとに追うことができます。最初の見開きでは小さな卵たちがずらりと並び、次の見開きでは幼虫に、それからさなぎになって、最後の見開きでは色とりどりに羽を広げたちょうたちに出会えます。成長するごとに個性が色濃くなっていく様子が、これまた面白い。
ふと、子どもたちの姿が脳裏に浮かびました。息子の赤ちゃん時代からのお友達や、ご縁があって一緒になったクラスメイトたち。そして、絵本屋にくるたびに大きくなっている子どもたちも。それぞれに個性豊かな子どもたちが、自分らしく成長できますようにと願いながら。

(OSAGARI絵本・伊藤みずほ)