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夜の小石川後楽園きらびやか。里神楽や狂言も愉快に/夜間特別開園、21日まで

強い北風が吹きすさび、冷え込んだ夜、小石川後楽園の夜間開園に足を運んだ。こんなに寒くて当日券1000円は高い、と思いつつ、東京ドームに隣接する東門から入った途端、そんな思いは吹き飛んだ。なんと、美しい。内庭の池に、ライトアップされた唐門がきらびやかに浮かび、周りの木々も鏡のような池に映し出されている。

ライトアップされた唐門に近づくと、昼間とは全然見え方が違った。普段は閉まっている戸が開けられ、いわゆる「木曽川」方面の木々が垣間見られる。

足元には灯篭がともされ、なんとも風流。白壁には丸い影絵のような文様が映し出される。

水戸黄門として知られる徳川光圀が造った小石川後楽園が、園として初めて、夜間に特別開園している。18時~21時、21日(日)までだ。出入りは東門からだけ。入園料はオンライン前売り券だと800円、当日は1000円。

東京ドームシティのイルミネーションイベントと連動し、笑いがテーマだという。「灯りと笑いで福招き」のサブタイトル付きだ。

「伝統芸能公演~笑う門には福来る~」とのことで、広いスペースがある「松原」にて、「石森社中」の里神楽の上演が19時と20時にある。この日は「大黒天~福徳之舞~」の演目。黒い面をつけた大黒様が打ち出の小槌を手に、笛の音に合わせて舞った。最後には打ち出の小槌からたくさんの「宝」が観客に向けてまかれた。この1年、大黒様は小石川後楽園にいらっしゃるとのこと。

平日の19時半、土日は18時半にも、東京大学とお茶の水女子大学の狂言研究会の学生が狂言を演じる。この日は「口真似」。女子学生3人が強風にも負けず、朗々と演じていた。

松原には団子や甘酒、豚汁や熱燗の出店があり、お休み処「九八屋(くはちや)」や周辺のベンチで食することができる。

蓬莱島のライトアップは少しずつ光の色が変化し、夜空には三日月が。

「赤門」からお堂に続く道の両脇には、紋切り提灯が並ぶ。紋切りとは、1枚の紙を切って形を表す遊びだそうで、12月にワークショップを開催して作った作品を使った提灯とのこと。そのそばにはプロジェクションマッピングがあった。

いつも入る西門からすると一番奥にある内庭はあまり足を運ばないし、池の水は黒く濁って、きれいだと思ったことはなかった。しかしライトアップされると背景のビルでさえ美しくみえる。池にはカモが数羽泳いでいた。

お隣の東京ドームシティでは、吉本興業所属のタレント、チョコレートプラネットの長田庄平さんがプロデュースする「笑(SHOW)」がテーマのイルミネーションがあちこちに。

その一つ、「つっこみイルミ」を眺め、「芸人シルエットロード」へ。

1階には「たらいの森」があり、その向こうの噴水が音楽に合わせて「踊って」いた。

寒すぎる夜だったが、楽しい仕掛けがいっぱいあった。暖冬とはいえ、夜は寒いので、帽子マフラー手袋は必須かもしれない。(敬)


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