文京区の工作室「もくもくはりねずみ」、通称「もくはり」を2023年に記事にしたが(過去記事参照)、1年ちょっとで手狭になったとかで、2024年に後楽から水道に移転した。新たな場所は広く、シェアキッチンも備え、バージョンアップしている。
発起人の私市(きさいち)瑞希さんは2023年春、気軽に木工をしたり、工具を使ってものをつくる場がほしいと、自宅近くで見つけた格安物件を勢いで借り、地域の木工室もくもくはりねずみを始めた。つくる人をつなげ、創作の循環を生みたい、という私市さんの思いはnoteに詳しい。
ただ、トイレがなく、手狭なことから、広い物件を探していたところ、元工場だった広いスペースを水道2丁目に見つけ、昨年秋ごろ移転、キッチンをつくってオープンした。入り口が若干わかりにくいが、階段を下りていくと、とても広い。
もくはりの工具や機材を借りて工作したい人は1日1000円で借りられる。道具の使い方のレクチャーも予約すればしてくれるそうだ。18歳以下は「こうさくチケット」が使える。「若い世代に気軽にものづくりを楽しんでもらいたい、というもくはりの思いに共感いただいた人が『前払い』として代わりに利用料をお支払いいただく『ペイフォワード』の仕組み」。前回取材したときに私市さんがやりたいと言っていたことだ。チケットを使った人からの用途や感想をつづったカードがぶら下がっていた。
ワークショップもやっていて、いま人気なのがレーザー加工だという。
自分で描いた絵が木片やプラスチックだけでなくおせんべいなど食品にもプリントできるそうだ。また、近所の左官職人による泥団子づくりというのも大人気だという。
シェアキッチンでは、カフェやカレー屋さんが曜日ごとに開かれている。何もない日でも、コーヒーとお酒とおつまみはある。(詳細はもくはりサイトの「たべる」参照)
運営方法は変わらず、スペースや機器を自由に使いたい複数の共同オーナーが資金を出し合っている。月曜日夜は、共同オーナーである浜元信行さん(過去記事参照)の「ビリーうどん」が開店している。キッチンを定期的に借りる人を入れることで、運営的には安定してきたという。
キッチンや工作室エリアを借りて、イベントの開催やグループでの利用も可能だ。詳細はサイトで確認を。(敬)