三寒四温(さんかんしおん)とはよく言ったもので、寒い日と暖かい日が交互に訪れる季節になった。春はもうすぐそこ。春告草(はるつげぐさ)とも言われる梅が見ごろだ。

小石川後楽園では「梅香る庭園へ」という梅まつりが3月1日まで開かれている。小石川後楽園といえば、「黄門様」で知られる水戸光圀の代に完成した水戸徳川家の庭園。国の特別史跡と特別名勝というダブル指定を受けている由緒正しい庭園だ。

光圀は号を「梅里」と称するほど梅が好きだったという。梅林は飯田橋駅寄りの西門からも水道橋駅寄りの東門からも一番遠い奥の方、後楽園駅側にある。紅梅、白梅など30種類ほどが咲き誇る。エリアがコンパクトにまとまっていて見ごたえがあり、梅林に入ると本当に梅がほのかに香る。春の香りだ。

東京ドームからは大きな音楽が聴こえ、ゴーッとジェットコースターの音や丸の内線のレール音が響いていささかにぎやかではあるが、梅林のたたずまいは静か。緑色の苔の上に花びらが散るさまは風流だ。シビックセンターも望める。

2月14日には伝統芸能公演「紙切り」があり、22日は「種梅記」書写体験、3月1日には茶会が予定されているが、いずれも定員満了のようだ。しかしあきらめるなかれ。土日祝の11時、14時は庭園ガイドボランティアの案内で園内散策ができる。

そして、梅味のキャンディ「小梅ちゃん」の絵図が浮かび上がる重ね押しスタンプラリーも。小梅ちゃんは、小石川生まれなのだそうだ。「小梅ちゃんと楽しむ早春の小石川後楽園」という企画だが、入り口近くから5カ所のスタンプ所ではがきにスタンプを押していくと、梅林にいる学生に思いを寄せている小梅ちゃんの絵が完成する。園内各所を巡ることができるので散策のお供によいかも。

静かに梅の花を鑑賞するのによいのは小石川植物園。入り口からは遠い場所にある日本庭園に梅林がある。

小石川後楽園の梅にも木札がかかっていたが、植物園は東大の研究施設だけあって、種類も多く、名札で梅の名前が知れる。

「月宮殿」「都錦」「白加賀」「未開紅」「八重松島」「古今集」「花香実」「桃園」。。。もう、数えきれない。「長寿」なんていうのもあった。

たくさんの人が散策し、写真を撮ったり、ピクニックしたり。春の青空にピンクの花が映える。サイトでは花の開花情報が載っており、梅以外の春の花もたくさん咲いている。

梅といえば外せないのが文京花の五大まつりの一つ、湯島天神の梅まつりだ。昭和33年に始まり、今年で69回目。

土日祝には野点や物産展が開かれ、地域の人によるダンスや楽器演奏、落語や和太鼓などが楽しめる。イベントの詳細はサイトで確認できる。

平日だというのに、たまたま猿回し芸が披露されていた。

梅園には約300本の梅があり、見事に咲き誇っている。

天神様は学問の神様、菅原道真公を祀っており、道真公は梅の花をこよなく愛したという。遠く大宰府に流されたときに「東風吹かば 匂いおこせよ梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ」と詠んだ。そんなゆかりがあるので、天神様を祀る神社では梅が植えられ、この時期、たいてい梅まつりが開かれている。

東京ドームの氏神様だという牛天神北野神社も隠れた梅の名所。 2月25日まで、紅梅まつりが開かれている。

特別記念御朱印や期間限定の短冊絵馬、お守りなどもある。

牛天神の名の通り、境内にいる牛たちも梅の香に酔いしれているかのようだ。

梅の木にはしばしば、メジロが現れる。小石川植物園や、小石川後楽園の蓬莱島では、運がよければ「飛ぶ宝石」とも言われるカワセミが見られるかもしれない。梅の花とともに、野鳥観察も楽しめそうだ。(敬)

